性差と交差性の要素は、優先順位の設定や理論の構築のための方針の検討から、設問、方法論の設計、データの解釈といった所定の工程に至るまで、研究・開発のプロセスのすべての段階に影響を与える可能性がある。性差と交差性の分析を最初から研究に組み込むことで、見落としを回避し、新しいアイデアやチャンスを見出すことができる。性差と交差性の分析は、ほかの研究方法論と併用でき、さらなる「比較対照」(またはバイアスのフィルター)を提供することで、科学、医学、および工学の研究、政策、実践における網羅性を高める。
本項では、交差性分析の最先端の研究方法を紹介する。どの研究方法でもそうであるように、状況の変化に応じて新しいものが作られ、他のものは使われなくなる。研究方法の実装の価値は、研究チームの創造性に依存する。研究・開発のプロセスに簡単に組み込むことができるレシピは存在しない。研究者は、あらゆる方法を検討し、これらの方法が自分の研究をどのように強化できるかについて創造的に考える必要がある。方法論は、ケーススタディで応用される。
セックスとジェンダーに基づく分析に関する Elsevier Research Academy のウェビナーでは、方法論の実践例について学ぶことができる。Londa Schiebinger と Cara Tannenbaum のプレゼンテーション:性差と交差性の分析を研究に統合する方法(発表者:Holly J. Falk-Krzesinski(Elsevier のグローバル戦略ネットワークのリサーチインテリジェンス担当副社長)と Jessica Mills(Elsevier の Cell Press))
性差と交差性の分析は、研究プロセスの各段階を強化する。
性差分析の方法論
- 研究の優先順位
- コンセプトの再考
- 研究課題の設定
- セックス分析
- ジェンダー分析
- セックスとジェンダーの相互作用
- 交差性アプローチ
- エンジニアリングの革新プロセス
- 共創・参加型研究
- 標準と参照モデルの再考
- 言葉と視覚表現の再考
フィールド固有の方法